中川船番所資料館 -冬の釣具展示 タナゴ竿-
昨年末から始まった江東区中川船番所でのー冬の釣り道具ータナゴ竿展に行って参りました。
一昨年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」の主人公は渋沢栄一。
江東区には渋沢栄一が居住したり、ゆかりの史跡が数多くありますので、この中川船番所でも関連する資料展示が始まり、現在でも常設展示となっています。
この影響で、元々縮小されていた釣具展示スペースが更に縮小され、現在では3Fの入り口付近のみとなっています。
展示される竿は東作一門の作品が多いのですが、珍しく竿かづ作たなご竿が展示されていました。
この竿は先代竿かづ親方が製作したもので、当時当店でも同仕様の竿を販売をしており、現在もデッドストックとして自店倉庫で保管しています。
短竿ながら替手元で長さを変えられるのですが、別に作られた替手元を継なぐのではなく、手元を抜いて手元2番を手元として使う仕様です。そのため手元2番の込み部分は飾巻きをして手元らしく見せています。
鯊竿などでも、昔は同様の仕様が作られていましたね。
この竿は、部材(鼈甲/象牙/銀等)や塗り(研出し/虫喰い)で単に高級感を出すのではなく、あくまでも布袋竹素材の良さ(丸さ加減/節間)とその素材ならではの調子、独特の込み具合を追求した【竿かづ】ならではのたなご竿なのです。
布袋竹ですので継ぎは勿論印籠継ですが、手元は抜いて使うことを考え逆印籠になっています
残念なのは穂持ちが左右逆向きに展示されています。手元を見てそれに合わせたのでしょうか?
中通しなので必ず鯊竿と同じく糸巻がついているのですが、それが見えないような展示になっています。これでは中通しとは判りません。糸巻は手元ではなく手元2番についているのですがーー。
残念です!!