春ですね!(其の参)初代広重 三題
東都名所 五百羅漢さざゑ堂 天保年間(1830年~1844年)
初代広重の桜にまつわる浮世絵ニ題と釣りにまつわる一題です。
名所江戸百景 千駄木団子坂 花屋敷は「広重ブルー」(ベロ藍)の代表的な作品です。
「東都名所 五百羅漢さざゑ堂」は初代広重の人気シリーズの作品です。
江戸時代には、現在の江東区大島三丁目の多くを寺領としてしていた関東屈指の大寺院です。(現在の中川船番所付近)
当時の川柳に「羅漢寺のそばに鮒釣る五百堀」というのがあり、五百堀は堅川か小名木川の一部と思われます。
この作品は「広重ブルー」と対照的な「朱」を上部に使い、夕刻を表現しています。
参考文献「一貫百趣」金森直治著 (株)つり人社刊