第71号 令和3年(2021年)12月22日

今年も残り僅か、新型コロナ感染拡大が2年目となった2021年は、皆様にとってどんな年だったでしょうか?

還暦を過ぎて早7年。本当に1年がアッと言う間に過ぎていくのを年々強く実感します。
60歳の還暦祝いを、当時の部下たちに根岸「笹乃雪」の広間で、豆腐料理でお祝いして貰ったのが昨日のようです。
家業の釣道具屋の店主専業になってから、前職のオフィスには一度も行った事がありませんが、元部下たちが「昇進しました」「新組織ができて異動します」「相談があります」と理由をつけて、連絡をくれ、手土産を持って店に来てくれます。退任して3年半、とうにサラリーマンとしての賞味期限は過ぎているので、彼らには「貴兄たちに出来る事は何もないから気遣いは無用!」と言っているのですがーー、有り難い限りです、本当に。彼らにとって現役時代の小生は必ずしも「良き上司」ではありませんでしたねー。それにも拘らず、気に掛け様子を見に来てくれるのです。
――という事で閉店時間を繰り上げて変則営業にさせて戴いている営業日が年末年始に何日かあります。これは彼らとのささやかな飲会をするものとご理解下さい。宜しくお願い致します。

国内の感染状況は、怖いくらいに低い数字で推移しています。
海外の感染状況との差が際立っています。世界中見ても、新規感染者が1日あたり3桁台なんていう国や地域は何処にもありませんね。そして専門家ですら、その理由がよく判らないとのこと。不思議です。半年前までは、ワクチン接種比率が他の先進国と比べて低いと散々マスコミに叩かれていた政府ですが、此処に来て、接種比率は一気にトップ入りです。そして医療従事者への3回目の接種も始まりました。
それにしても、新型コロナウイルスは強かですね、我々人類は「変異」と言いますが、間違いなく生物学上は「進化」です。人類に都合が悪い進化は「変異」と呼ぶんだと思いますが、どんなメカニズム/ロジックで「変異」するのか、本当に不思議です。

1年半ほど前に竿忠親方からお話は聞いていたのですが、コロナの影響でお披露目が伸びていた「累世竿忠の墓開眼供養と竿忠五世四代に亘る江戸和竿匠の技の歴史めぐり碑建立お披露目」が去る11月27日(土)亀戸にある亀命山遍照院・光明寺において執り行なわれました。

竿忠親方から招待状を戴いておりましたので、3年ぶりに地味目のスーツを着て、ネクタイを締め、靴クリームで磨き上げたスコッチグレインの紐付き黒靴を履いて参列して参りました。
数多くのマスコミが来ており、参列者は上野寛永寺管主、江東区区長を始め錚々たるメンバーです。小生にとっては、明らかに場違いです。施主側は竿忠親方、実妹海老名香葉子さんをはじめ林家一門、孫代表で二代目三平師匠(長男正蔵師匠は仕事で欠席)が参列されていました。

施主お二人にとって、この「開眼供養」、本当に悲願だったんでしょうね、海老名香葉子さんのご挨拶を聞いて胸が熱くなりました。竿忠親方ご本人からも直接お聞きしていましたが、昭和20年3月9日深夜から10日未明にかけてのB29による東京大空襲のお話です。親方は当時中学生、錦糸町/亀戸あたりを一人で逃げ回り、小学校の校舎に逃げ込み助かったとのこと。この日に名人三代目竿忠(実父)を始め家族7名全員を亡くされています。疎開していた当時小学生の香葉子さんと親方二人が生き残ったのです。震災孤児になった二人は、「故三代目金馬師匠に拾って貰って、今日がある」と香葉子さんが涙ながらにお話をされました。小生、只々貰い泣きです。
式終了後に親方から香葉子さんを紹介され、親しくお話をさせて戴きました。いつまでもお二人がお元気なことを祈るばかりです。


竿忠江戸和竿回廊(江戸登場博物館→天台宗亀命山光明寺→洲崎神社→中川船番所資料館)は近日公開されます。
江戸和竿を知る上で貴重な資料ばかりです。是非お立ち寄り願います。

12月19日(日)に【第4回小粋に江戸前鯊を釣る会】を開催致しました。鯊供養(?)を兼ねた納竿鯊釣会です。
師走のお忙しい中、そして寒い中、女性一人を含む総勢14名のご参加を戴きました。本当に有難うございました。
当日は晴れ、出船前は朝の冷え込みで凍えてました。昼から風が出ましたが、この時期としては最高の釣り日和です。会の趣旨に従い全員が中通し竿を使用です。
当初、飯島船長とは京浜運河周りとレインボーブリッジ下をと、考えていましたが直近の情報で釣果が渋いとのことで、急遽例年になく釣れている木更津の深場に変更しました。
前回同様に、当日も深川富士見/浦安吉野屋と鉢合わせです。
流石にこの時期です釣り客は少なかったですね。


水深は3mから始め、6m前後を狙いました。
釣果は平均35尾、竿頭は80尾、二番手が77尾です。
小生は44尾、大きいので18cm、平均すると15cmです。
船中では写真にある20.3cmが出ました。
竿頭の隔週刊つり情報の斎藤前編集長が釣った20.3cmです。
きっちり物差しで測って20cm超えですから、大したもんです。
皆さんを含め釣り人は見栄っ張りですから19cmを20cmと言いはるのですが、これは間違いなく20cm超えでした。
東京湾奥で20cm超え、小生は初めて見ました。もしかしたら今シーズン木更津のレコードではないですかね?
最後に、記念撮影をして、幹事役を買って出たH氏の音頭で「関東一本締め」、来シーズンの再会を約して御開きとなりました。


本年一年間、【竿は人なり】にお付き合い戴き誠に有難うございました。厚く御礼申し上げます。
来年からは、本パンフレットの継続発行に加え、HPを開設致しましたので、スマホからもこの【竿は人なり】をご覧戴けます。
また、HP上では日記形式のブログ【三代目店主備忘録】を開設しております。合わせてご覧願います。
良いお年をお迎え下さい!!